da Crema365

365日ワインとチーズのある食卓

南仏ワインとお惣菜でフランス気分♪

自由が丘にある南仏出身の女性が切り盛りするお惣菜とワインのお店 Cocotte Cuisineへ。

ショウケースに並ぶお惣菜はテイクアウトもできます

スタッフはみんなフランス人なので店内ではフランス語が飛び交い、かなりテンション上がります♪

 

黒板やショウケースにはたくさんのお惣菜メニューが並び、どれも美味しそうで初めて訪問した私たちはメニューのチョイスに迷っていると「おまかせの盛り合わせもできますよ♪」と声をかけて下さったので、おまかせプレートをお願いすることに。

Cuvee Francoise Blanquette de Limoux

まずは南仏の泡、Blanquette de Limouxで乾杯!セパージュはモーザック主体でシュナン・ブランとシャルドネブレンドで、スッキリ軽やかで青リンゴのようなニュアンスの中にイースト香も。


産地であるリムー村は南フランスのラングドック・ルーション地方西部に位置し、カルカッソンヌの近くにあります。高台に位置するので比較的冷涼なため、瓶内二次発酵で造られる発泡性ワインの産地として有名で下記3つのAOCがあります。

●Blanquette Méthode Ancestrale 

●Blanquette de Limoux

●Crémant de Limoux

私、お恥ずかしながらCrémant de Limouxしか知りませんでした。今回の泡、Blanquette de Limouxはなんとシャンパーニュよりも1世紀も歴史が古いんだとか。この3つのAOCにはどのような規定の違いがあるか、後日調べてみようと思います。

 

ボリュームたっぷりのおまかせの盛り合わせ2名分

おまかせの盛り合わせ、すっごいボリュームでびっくり。

食べ切れるかなと心配でしたが....心配は無用でした!南仏のお料理はバターではなくEVオリーブオイルを使っているので、どれも軽やかでお野菜もたっぷり。ワインも進みます。

Les Crus Faugères Faugères Cuvée des Schistes Blanc 2020.

次のワインもラングドック・ルーションのもので、ルーサンヌ40%、マルサンヌ30%、ロール15%、グルナッシュ・ブラン15%と地元品種オンパレード。白桃のような香りとミネラリティーガリック(野生のハーブ)を感じる風味は南仏ならでは。このワインにはTielle Setoiseというタコとイカをトマトソースで煮込んだものをパイ包みにしたものにすっごく合いました。(盛り合わせプレートのオレンジ色のものです)

南仏のお惣菜 Tielle Setoise

タコ好きな私はTielle Setoiseがすごく気に入ったので後日ネットで調べてみたら、日本語では情報が見つからず、、、今度現地サイトのレシピを参考に作ってみたいなと思います。

愛犬クレマも美味しい匂いに誘われてクンクン♪

窓際のお席限定でワンコOKで、ワンコ用のお水も出して下さいます。私は月いちでクレマと一緒に自由が丘にドックフードを買いに来ているので、今度から帰りにコチラでアペロをするという楽しみもできました♪

MILANO WINE WEEK 2021

先週、ミラノと東京をオンラインで結んだイベント「ミラノ ワイン ウィーク2021」が東京 青山のアカデミー デュ ヴァンで開催されました。

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そのプログラムの一環であるインターナショナル マスター クラスではイタリアワインの「今」が参加費無料で学べ、ティステイングをしながら生産者のお話も聞けました。

 

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私が参加したのは、ヴェネト州で造られるスパークリングワイン「プロセッコ」のクラス。

プロセッコはヴェネトやフリウリの広い範囲をカバーしたプロセッコDOCをはじめ、より限定されたエリアでより厳しい規定のあるコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネDOCGなどががあります。

今回のクラスでは後者のものをメインに9種類をテースティングしました。

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テースティングのワインは全てヴァルドッビアーデネに本拠地を置くVALDO社のもの。VALDO社の名前は誰が見ても「ヴァルドッビアーデネで造られたの上質なプロセッコなのね!」と分かるようにヴァルドッビアーデネ(Valdobbiadene)からとっているんだとか。確かにプロセッコにあまり詳しくない私が見てもすぐに分かりました!

 

プロセッコに使われるブドウはグレラというややフローラルな香りを持つ白ぶどうで、このグレラが85%以上使われていなければなりません。香りはグレラからくるフローラルな白い花やグレープフルーツ、レモンといった柑橘類の香りが特徴です。

プロセッコの醸造は一般的にシャルマ方式(WSET的にはタンク方式)で行われるので、伝統的製法で造られるシャンパーニュのような瓶内での長期間の澱との接触からくるブリオッシュのような香りや複雑な味わいはあまりなく、ぶどうそのものの香りを生かしたフレッシュな味わいです。

 

では、今回テースティングした9種類の簡単な覚書をしておきます。
(※写真向かって左のボトルからNo.1とし、一番右端をNo.9とします)

 

No.1 Marca Oro Valdobbiadene Prosecco Superiore DOCG
         Extra Dry NV

これは1950年代から造られているVALD社のベストセラー。
残糖15g/Lとシャンパーニュに比べると高めで、この残糖15g/LがValdobbiadeneの古典的な残糖だそうなので目安として覚えておくとよいかも。
やや甘味を感じるのでアペリティーボや小腹が空いた時のドルチェと一緒に♪など、いろんな場面で楽しめそう。

でも、このように残糖高めなプロセッコも最近の世の中の流れ通りプロセッコもドライな方向へとシフトしているようです。


No.2 Rive de San Pietro di Barbozza Valdobbiadene Prosecco superiore DOCG
         Extra Brut 2018

こちらはプロセッコの上級カテゴリー Cartizze(カルティッツェ)に続く、比較的新しいRive( リーヴェ)のもの。Riveは限られた43の村で造られたものにしか表記することはできません。
これはRiveのSan Pietro di Barbozzaという畑のもの。Riveの畑はどこも急斜面なのですが、San Pietro di Barbozzaは特に急斜面なのだそう。収穫大変そうですね!厳しい選果を経て造られたワインはNo.1に比べるとミネラリティーも感じ、エレガントにまとまっています。


プロセッコでRiveCartizzeという表記を見かけたら...

◎フランスでいうプルミエ クリュのような上級カテゴリーなんだね!
◎急斜面の畑で造られてるんだね!
◎選果をきちんとされてるんだね!

って、ことを思い出してもらえればワインを選ぶ一つの基準になるかなと思います♪

 

No.3 Bio Prosecco DOC Brut NV

グレラ100%のオーガニックで造ったプロセッコ。気取らなくて気軽に楽しめる泡♪

 

No.4 Tenuta La Maredana Prosecco Treviso DOC NV

こちらはグレラにピノ・ノワールブレンドされたタイプ。ピノブレンドされるとやっぱりストラクチャができてきますね。

 

とりあえず今日はここまで♪

 

 

 

 

 

 

 

 

リグーリアの土着品種 ピガート

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Riviera Ligure di Ponente DOC Pigato “Marene ”

4月のコロナ自粛中に始めたイタリアワイン通信講座。毎月ワイン2本とテキストが送られてきます。1年でイタリア20州のワインが楽しめるシステムで旅気分を味わいながらイタリアワインが学べます。

 

4連休は北イタリアのリグーリアへ♪

リグーリアといえばバジルの産地。トリノの語学学校に通っていた時のこと。「今週末はジェノヴァへ行って、本場のジェノヴェーゼを食べて来るの♪」と先生に言ったら、「まぁ、なんて恐ろしいの!ジェノヴァ人を食べるなんて!」と大笑いされた思い出が。日本ではバジルソースのことをジェノヴェーゼって言いますよね。でもそれは "ジェノヴァの人"という意味で、バジルソースのことは "ペストジェノベーゼ "というんだってことをこの時初めて知りました。

 

話しをワインへ戻すと、リグーリアの格付けはDOCGはなく、DOCが8つあります。

今日のワインはジェノヴァの南西からフランス国境近くまで広がるRiviera Ligure di Ponente DOCで、このDOCで認められているのは赤白泡で品種はピガート、ヴェルメンティーノ、モスカート、ロッセーゼです。

今回の品種は初めて飲む土着品種のピガート♪ピガートはヴェルメンティーノの亜種で、ヴェルメンティーノよりも房が大きく、熟すと果皮が黄金色に色づいて果皮に斑点が現れます。その斑点をリグーリアの方言で "ピーゲ"と言い、そこからピガートという名前になったそう。味わいに苦味があるのが特徴。

 

さて、WSET方式でテイスティングノートを書き留めておきます。

::::Tasting note::::

Riviera Ligure di Ponente DOC Pigato “Marene ” 2019

〈生産者〉BioVio 

〈品種〉ピガート 100%   

〈外観〉中程度のレモン色

〈香り〉香りはやや強く、若いワイン

桃、アプリコット、レモン、レモンピール、西洋スイカヅラ、カモミール、火打石、金木犀、バジル

〈味わい〉辛口、酸味はやや高く、Alcは中程度(13.5%vol)、ミディムボディ、風味はやや強く、A/Tはやや長い

 

::::wine data::::

〈高度〉100-250 m s.l.m.

〈土壌〉水捌けの良い小石 ( terreni ciottolosi e permeabili )

〈テクニカル〉スキンコンタクト 24時間、ステンレスタンクで4ヶ月熟成後、瓶熟2ヶ月

 

海に近いところで育ったブドウなのでミネラル感があり、バジルを使ったお料理やホタテのグリルなどの魚介料理、そしてもちろんリグーリアの郷土料理であるカッポン・マーグロとの相性抜群もだと思う!

 

では、せっかくなので旅アルバムも。

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現地ではペストジェノヴェーゼはこのトロフィエというパスタに合わせるのが定番

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これがリグーリアの郷土料理カッポン・マーグロ。堅パンの上に魚介と野菜をマリネしたものをのせたサラダです。ヴィネガーがきいてサッパリといただけます。盛り付けがゴージャス!

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ラザニアってメニューに書いてたような。ここにもペストジェノヴェーゼたっぷり。奥に見えるオリーブオイルはリグーリアなので品種はもちろんタジャスカ100%

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パンのお供にもペストたっぷり!

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あれ?現地でちゃんとピガートを飲んでました!

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おまけの写真はジェノヴァ近くのボッカダッセをお散歩するクレたんです


それでは、また!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ワインとパスツール

なんとなく、ワインにまつわる名言を調べてました。

どの名言も本当に素敵なのですが、その中でも目に留ったのは生化学・細菌学者であるルイ・パスツールの言葉。

 

Il y a plus de philosophie dans une bouteille de vin que dans tous les livres.

一本のワインボトルの中には、全ての書物にある以上の哲学が存在する

 

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2019年5月に訪れたアルボワのパスツールの家にて

 

狂犬病のワクチンをこの世に生み出してくれたルイ・パスツール。私も学生時代に生化学・微生物学を専攻していたこともあり、勝手に親近感を抱いています。そして、ワインを勉強して初めて知ったのですが、パスツールはワインの醸造の発展にも大きく貢献していたのです。

時は遡ること1863年、当時ワインの醸造者たちを悩ませていた”腐敗”について、ナポレオン3世の命を受けパスツールは研究に取り組みます。彼はワインのアルコール発酵が酵母により起こるというメカニズムを解明し、その3年後に腐敗を防ぐための低温殺菌法を見つけ出しました。この低温殺菌法は今日でもワインだけでなく牛乳やビールなど幅広く行われています。牛乳のパッケージにも大きく書かれてたりしますよね!

 

それでは去年、クレマとパスツールの家を表敬訪問した時の様子を少し。

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パスツールの家はミュージアムとして公開されています

受付のお姉さんに犬も一緒に入ってもいいかと尋ねたところ、もちろん♪とのこと。日本からのワンコは初めてよ!って。クレマ第一号!光栄だね。

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狂犬病に関する展示の前で感謝するクレマ

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実験器具たち。当時の様子を想像しながら...

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バルコニーからの眺め。パスツールも同じ景色を眺めていたんだと思うと感慨深い

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アルボワの街の中心にはパスツール銅像

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そして、街中いたるところの歩道にこのプレートが埋め込まれています

パスツールの過ごしたアルボワは、フランス東部のスイスとの国境にある小さな街でフランシュ・コンテ地方に位置します。この地方は世界的に有名なコンテチーズの産地であり、ヴァン・ジョーヌ(黄ワイン)やヴァン・ド・パイユ(藁ワイン)とい呼ばれる独特なワインを生み出す産地としても知られています。そう、美味しいモノがたくさーーーんの街なんですよ。またこの続きは後日にでも。





 

 

 

秘密は "さんみつ" にあり!

この80年代のマムは私にとって、かなりの衝撃でした!グランメゾン過ぎて普段はスルーしがちなマムですが、古酒の域に入った80年代の熟成シャンパーニュ。もう目眩がしそうです。グラスを手にした途端に香ってくる、キャラメルのような甘ぁ〜くトーストしたブリオッシュのような強い複雑な香り。そして味わいも然り。

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80年代熟成マム

この熟成マムの前に現行マムを飲んで比較テイスティングしたんですが、現行マムはスッキリと普通においしかったです。

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現行マム

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比較テイスティング

現行マムはワインショップで6,000円も出せば簡単に買えますよね。これを今買って家のセラーで30〜40年寝かせておけば(あれ?私、何歳?)、この80年代の熟成マムのような味わいになるのか、こちらのワインバーのシニアソムリエの方に伺ってみました。

 

答えはNO!

 

少しおさらいしてみましょう。

まず、長期熟成に必要な要素は

  • 高い酸味
  • 強いアルコール=糖分(糖分がアルコールに変換します)
  • 赤ワインであれば豊富なタンニン

冷涼なシャンパーニュ地方ではブドウが成熟するのが困難で、ブドウが成熟しないと糖度が上がりません。糖はアルコールに変換するため、糖度が度が上がらないとアルコールが低いワインになってしまいます。アルコールが低いと熟成には耐えられないため、瓶内二次発酵を行いアルコールを上昇させます。冷涼なので、元々のブドウの酸味は高いですよね。

ソーテルヌなどの甘口ワインをちょっと思い出して下さい。甘みに隠れてすごく酸味が高いです。そして、貴腐ブドウなので糖度も高くアルコールも高いですよね。だから長期熟成に耐えられます。

シャンパーニュは最終工程でデゴルジュマン(澱抜き)をし、その際に目減りした分を補うドザージュという工程で糖分を加え、高い酸味とのバランスをとります。実はこのドザージュはハウススタイルを決める大切な工程でもあるんです。 80年代や90年代はBrutでも上限ギリギリなくらいドザージュがたっぷりと行われていたのですが、最近はドザージュ・ゼロとかちょっとしたブームですよね。どんどんとドライな方向へ向かっています。なので昔とはドザージュの量が違うため、残念ながら80年代の熟成マムのようにはならないでしょうとのことでした。

 

よって、この熟成マムの秘密は酸と蜜(糖)!そう、”さんみつ” にあり!

あ、最近よく聞く "三密” ではありませんよ。

 

コート・デ・ブランを自転車で

ルイ・ロデレールの美しい動画をうっとりと見ていた時、畑の風景になんだか見覚えがあって去年の5月に訪れたシャンパーニュの写真を見返してみたのです。

そしたら、あった!あった!私、無意識にルイ・ロデレールの畑を写真に撮っているではありませんか!f:id:cremacremino:20200725155603j:plain

この時はジャック・セロスの宿に3年ぶり2度目の滞在で、想い叶って我が家の愛犬クレマとセロス家の愛犬ミュスカのご対面を果たすことができました。またこの話は後日にでも。

で、話を元に戻すと、宿で自転車を借りてコート・デ・ブランを散策した時にパチリとルイ・ロデレールの畑の写真を撮っていたみたい。

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ほら、クレマも一緒♪

コート・デ・ブランは"白い丘"という意味で、ご覧の通り土が白っぽいですよね。これは石灰質土壌のチョーク質で、植えられているのはほとんどがシャルドネなんです。

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畑を歩くクレマ。ね、土が白いでしょ?

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白い石もゴロゴロ。

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ちょっと匂いもチェック!クレたん、ミネラリーですか?

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うーん、良い眺めだぁ♪

 

早くまた自由に旅に出られる日が戻ってくれるといいな。